2013年1月30日水曜日

僕は「小僧」になった…


昨日今日の二日間、僕の敬愛する小原の土木スーパーマン
吉村さんのアシスタントで2ヶ所の現場で汗をかいた。
昨日はある人の駐車場に車が入りやすくする為に入口を
広げる現場、今日は別の人の家に屋根付き駐車場を作る現場
だった。
何をしたらいいのかは親方の吉村さんからスコップを渡され
入口付近の庭木を掘り起こし移動させる、そしてその辺りの
土を削ってスロープを作るという仕事が与えられた。
その仕事でいちばん大きなことは、何処かわからないがその
あたりの地中に塩ビの水道管が埋めてあり、とにかくそれを壊さないように掘れということであった。
30分もしないうちに汗が吹き出てくる、木の根っこは隣り合っている木の根とからんでいて、もちゃかった糸をほぐすように一本一本根っこの先を切りながら作業は進む。
中に吉村さんが「こりゃー自然芋だぞ〜」と作業は中断、ジネンジョ掘りになったりもしつつ、午後4時には広がった
入口からきれいなスロープが延びて完了。


その後、1万円のアルバイト料が出た…その話しを知り合いにしたら…「それって小僧の料金だね」と言われた。
聞くところによると、その業界では技術を持っているプロ
料金はだいたい日当が2万円で、そのテカというか技術のないアシスタントというか運んだり動かしたり…言われたことを何でもやる仕事は「小僧」と呼ぶらしい。
ということで日当1万円の僕は61歳にして、その日<小僧>になった。
そして今日は<小僧2日目>でやはりスコップを渡されて
駐車場のポールを立てるための深さ50㎝の穴を斜面に掘ることから一日が始まった。
花崗岩が風化してボロボロになった地面は固くてスコップと
バールを駆使しながら掘るというよりは地面を削るという
作業を繰り返し1時間半ほどで2つの穴を地面にあけた。
親方から「早いねぇ〜」とお褒めの言葉を頂いた「フ〜ッ」
やはり今日も小僧は汗をかく…小僧は汗をかくことと見つけたりである。
帰り際に親方から「明日は…?」と聞かれ、明日は生コン
を穴に流してポールを固定する仕事が残っているのは知って
いたし、ポールを動かないようにしながらコンクリ打つのは
親方一人では大変だろうな…ということで小僧の明日は生コンを煉るところから始まりそうな気がしている。
ヤィヤァー、小僧は連続3日間が限界かなぁ…腕とか腰が
痛くなってきたぞ…でも何が面白いかって末期がんを克服した67歳の親方吉村さんの人生談を引き出して聞きながらの
「時」がもてることだ。
高校を出て単身青森県の八戸から東京へ出て以来、ずーっと
土木作業員の人生、高度経済成長下の日本の土木史を人間の物語りとして語ってくれる吉村さん「マンガだでぇ…」と
いろんな現場の話しを聞かせてくれる。
いつか小原の土木スーパーマン吉村親方のこときっちり書こうと思う。


2013年1月25日金曜日

不思議な散歩だった…


今日は朝から僕が<小原の土木スーパーマン>と尊敬している吉村さんのお手伝いで「穴掘りバイト」をする予定で、昨夜から明日は土木作業グッスリ寝とかなくちゃ…と気合いを入れていたのに…朝から雨。
冷たそうな雨に空を見上げていたら吉村さんから「今日はダメやなぁ…」ということで作業は延期になった。
その雨はすぐにみぞれに変わり雪に変わった、しばらくは外の景色が見えなくなるくらい降っていたが、その後雲間から陽がさしてきた。


そうなると外へ行きたくてたまらないハナとキノコの視線が
僕の背中越しに突き刺さってくる、振り向いて目が合ったら
その一途な目力にやられ…「散歩行くかぁ…」と重ね着して
外に出た。
白い雲、少し青い空、北の空は濃い灰色、たまに陽がさし道に影をつくる、そして雨かみぞれか雪も降る…なんでもありな空模様は短い周期で散歩道中に変化をつける。
こんな日だからちょっとそこまでの散歩でお茶を濁しておこうと出たもののなかなか気持ちが良くってどんどん足が進んで行く。
ここまで来たら久し振りに大洞の山越えしよう…という気分になり家から3キロくらい先にあるこのあたりの高みに上がってみることにした。
こんな日のために…と最近2000円で購入した<防水防寒ブーツ>が役にたった、とはいえ<世界長>という長靴メーカー、履き心地は長靴そのものなのだが…。


ここからが不思議な体験になる…。
北側の斜面から入ったのだが森の入口でハナとキノコは野うさぎかなんかの臭いを嗅ぎ付け山の奥へ入り込んでしまった。
30分は森から出てこないだろうと煙草に火をつけ待つことにした…北の空からはほとんど黒に近い重い雲が次から次へと空を走り抜けていく、強烈な風が北から山にぶつかり森のうるさいことしきり、ゴーッとザーッが入り交じり「森が騒いでる」という感じだ。


ヒノキやスギの枝葉が洗濯器にかけられているように振り回されている、そしてそのかたまりも大きく揺れながら暴れている、幹は空に向かってローリングしながら折れないように必死で踏ん張っている。
森は乱暴者の北風に抗いながら生きている底力を見せ戦っているようだ…腹の底に響いてくる森の声は戦場の時の声でもあるように聞こえて来て怖いくらいだ。
そして山の尾根から南側へ降りた途端「嘘でしょ…」と言いたくなる世界があった。
南側から開ける空には太陽と青い空があり、風も森のざわめきもなくシーンとしずまりかえった空気、次のドアを開けたら天と地くらい違う世界、「めちゃシュールやな…」と足が止まってしまった…裏側の世界は知りませんよと落着いた静けさが支配している、これもまた怖いくらいだ。
遠くの山並みも陽の光りをうけて青く山のシルエットを浮かばせている、その横を白い雲が流れている。
尾根を境に別世界がある、北側が激しい地獄なら南側はおだやかな天国のようだ…こんな散歩はちょっとない。


そういえばハナとキノコはこちら側でも茂みに消えてどこかへ行ってしまった…もうこのままおいて帰ろう…遊び疲れたらかってに帰って来るだろう…キノコはすぐ帰って来たが、
ハナが戻ったのは3時間後であった(泥だらけで…)。



2013年1月15日火曜日

たいへんな「小春日和」

正月明け以来ずっと<汗>をかいて体を動かし、初めて家に来る人にはわからないと思うが着実に環境は変化している。
今日は関東方面雪で大変だったみたいけど、小原は家から
30mくらい高度が上がったあたりから少し雪が積もった
程度ですんだ…しかし寒い、芯から冷える。

ここ2〜3日昼間は日当りの良い我が家では、ここにいる限りしっかり「小春日和」を味わいつつの日々だった。


「北風」と「太陽+人のエネルギー」ではやはり後者が勝つ、着てるものを一枚、また一枚と脱いで行くことになる。
昨日、ずーっと気になっていた裏山の竹を切る作業をして
いた、家に隣接している裏山の竹はすべて家側に頭を垂れているので、切り方を間違えるとトタンのかぶった草屋根を
直撃しかねない。
70度くらいの傾斜があり足場のない斜面での竹切りは難儀
なもので、普段使わない体中の筋肉を総動員してる感じだ。
という難度の高い竹切り作業は家側に倒れないようにロープをかけ、切り終わる瞬間に根元を家側に落とし頭を山側に
倒す、かなりの荒技とスピード感が要求される。
今度はその竹を2〜3mくらいに下から切り、ダルマ落としの要領で短くしていく…足場も良くないが、木や竹がからんでいる狭いスペースでは長くては右も左も動かない。
最後は竹の枝を落としてやっと終わる、枝は山から入って来るイノシシよけのバリケードになる。
竹の本体は今年は雨どいに加工する予定だ。
こうして1本あたりの作業は30分かかる6本切って3時間
というのがこのところの所要時間だ…休憩時間に飲むうちの
山水は最高にうまい。


しかし昨日は最後の最後に竹を山から降ろす時、太い孟宗竹
を山水を家に引き入れる塩ビのパイプにぶつけ、パイプを割ってしまった。
「ドヒャーッ」と水が吹き出し止まらない、これじゃ我が家の水は出なくなる!と車で30分走りホームセンターへ駆け込み、パイプのジョイントを買いすぐ戻り、破裂した箇所を
切り落とし、ジョイントをつなぐ…この間1時間15分、ホームセンターの往復時間を差し引くと15分で修復完了ということになる。
昔の僕を知ってる人なら「えぇ〜っ竹ちゃんが…」と驚く
ことだろう、事実僕もそんなこと出来るなんて…と驚いて
いるくらいだから…。
…ということで、またひとつ技が増え危機管理を覚えた昨日
だった。
あとは「ほっ」と東屋でまったり「いい日だなぁ…」と充実した時に微笑む…。

2013年1月8日火曜日

今年は「落ち葉焚き」から…

あけましておめでとう…2013年の幕が開き、3日までは
正月気分で「ボーッと」過ごし、4日から日常生活に戻ることにした。
でないといつも一人でいる僕は「ボーッと」する日々で日が
暮れてしまうから…「ボーッと」するにはあるていど心地良いという条件が必要で、0度前後を行き来する気温では寒くて冷たくて心より「ボーッと」することが出来ないということもある…ようは中途半端な「ボーッ」になってしまう。
という訳で新年早々から去年の暮れに出来なかった大掃除を
始めた、何かというと「落ち葉かき」から「落ち葉焚き」である。
家には大きな柿の木とモミジがあり、11月くらいからハガキサイズの柿の葉が落ち始め、柿が終わると切手サイズのモミジの枯れ葉が降って来て庭を覆う。


  写真は掃除後、きれいサッパリの庭になった…写って
  いる大きな木がモミジ。

例年は柿の葉を掃除して、次に紅葉と2回掃除するのだが、
去年は「ヤィヤァー祭」で2回とも出来なかった。
結果気がついたら庭中が枯れたハガキと切手で土が見えなくなっていた、熊手で枯れ葉をかき集め、小山をいくつも作り火をつける。
一日目と二日目は4つの焚き火が一日中煙りを出していた、
そして3日目は大きめの山を一つだけ作り、落ち葉を
かき集めながら焚き火の火加減を見て枯れ葉を足していくという手法に切り替えた。
この方が合理的であるように思われる。
あまりの落ち葉の量に飽きてくるので、洗濯や冷たい冬にはやりたくないお風呂掃除、ヤィヤァー祭で使った道具や材料の整理、廃材の釘抜きなどの仕事をはさみ込んで一日を終える。
そして4日目は朝からナタとのこぎりを持って裏山に入り、のび放題の低木や竹、つるや笹竹のカット…スッキリした。
4日とも途中で着ているものを一枚また一枚と脱ぎながら、
最後は汗でビショビショになる、午後3時には作業を終えて
お約束のハナとキノコの散歩に出る。

ハナの後ろにあるのが大きな柿の木

この季節はやたらと2匹の元気がよく、葉を落とした木立の
山は動物達も少ないエサを求めて動き回るのか、いたる所に臭いを残しているようだ。
中でも特に野ウサギと追いかけっこが好きなハナとキノコは
その臭いを嗅ぎ付けると一目散で山へ駆け上る。
「あぁ〜っ、また山へ入っちゃった」と寒い中30分はそこで待つことになる。
山から戻って来る時は泥だらけがセットになっているのが普通で、今日は山にも入らずきれいなまま帰れると喜んでいると、あと300mで家というところで…「野ウサギ!」と山
へ飛び込んで行く「あぁーあ、もうチョットで家なのに」…結局ぬか喜びで泥だらけのご帰還だ。
こうして1時間半〜2時間のお散歩、冬以外なら本を持って行き読書の時間になるのだが…最近は待つのもつらいので、2匹が山に入り20分して戻らなければ一人で帰って来てしまう。


特に山の方から「キャンキャン」という子犬のような鳴き声が聞こえてくる時は、野ウサギを見つけ追いかけっこを始めた時なので一時間は山から出てこないとあきらめることにしてさっさっと家に帰ることにしている。
この4日間は汗かいて家仕事に集中して他ごとせずの正月らしい、清生する年の始まりを過ごした気がする。
明日はどんな日になるのかなぁ…何をするんだろうなぁ…。