2012年10月23日火曜日

イッツ・ア・ショータイム

 なんて日は早く過ぎて行くのか、時もまた早いぞ…こと座のベガ、白鳥座のデネブ、わし座のアルタイルという秋の大三角形といわれる星たちはもう山陰に隠れてしまう。
夜10時頃には白鳥座が頭を西に向け夜空を渡りきってしまう…同時に東の空から悠然とオリオン座が肩を持ち上げ、三ツ星を従えて姿を現す。
もう天空は秋の星座から冬の星座にバトンタッチだ。

ついさっきハナとキノコと外へ出た…昨夜はきれいな星空で長い尾をひいた流れ星を見たが、今夜は星ひとつ見えない。
今日の昼間、やたら虫が多かったが知り合いのおじさんが、今夜は雨が降るな…と言っていたとおりトタン屋根を冷たそうな音を叩きながら雨が降り始めた。
残念ながら星は見えないが、まだ冬の星たちとはこれからしばらくの付き合いになるんだから…

冬の星座といえば東の地平から出現するオリオン座ほど感動を与えてくれる星座は他にないだろう。

充分休息をとったバンドが一年振りのステージに立つ初日、
気合い満々で舞台緞帳の前にたつ、溜めに溜めた想いを一気にではなく、ゆっくり大きなクレッシェンドで幕を上げる。
さすがにいい演出だ…
この季節、まだそんなに寒くないので是非オリオン待ちをしてみて欲しい…朝日や夕陽が大きく見えるのと同じで、東の空にまぶしいくらいの一等星が2つ見えたらオリオンの登場だ、リゲルとペテルギウスにはさまれてベルトの三ツ星がゆっくり登って来る時がいちばん大きく美しいと思う…そしたらすぐに全体と対面できる。
空に昇りきったオリオン座を見るより大きな感動を与えてくれることを約束しよう…おいしい一瞬だよ。
気持ち良く小寒い秋の、今夜のBGMはBill Evans Trio の「Walts For Debby」、彼がどれだけ深く奥さんを愛していたのか、やさしくしなやかな指先のタッチで伝わってくる。
人肌の恋しい季節であることは間違いない…。

 







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